夜勤あがり、
チャリンコで帰る未明の甲州街道。
交差点のあちこちに警官が潜んで、チャリンコ検問のようなことをしている時間帯。
車道の自転車ゾーンは、飛ばし屋、煽り屋の行き交うこの時間帯には危険なので、ほとんど誰もいない歩道をちんたらと行く。
甲州街道の街路樹は年季が入っており、根が肥って歩道のインターロッキングを持ち上げてしまっている。
自転車や車いすには非常に通行しにくい。
久しぶりにジャズばかり聞いている日々。
押し入れからCDを引っ張り出して、少しずつインポートしている。
マイルスを聴く。
未明の甲州街道で。
完璧すぎて脱帽してしまうプレイばかりだが、そのせいかあたくし的には愛着はなぜか湧かない。
『THE MODERN JAZZ GIANTS』
もともと、マイルス目当てではなく、モンクの参加している名盤ということで買った。
自分のバンドでアタマ張っているときのモンクももちろんいいが、バックにまわったときのモンク臭というのもすごいよね。
それがマイルスとどう化学反応するのかという一点。そこがこの盤の聞きどころ。
モンク好きのあたしとしては、わらっちゃうほど痺れますな。
なかでもマイルスのオリジナル曲『SWING SPRING』。
マイルスが吹いている後ろではモンクはぴたりと演奏をやめて、盟友ミルトのソロの後ろでは好き放題にモンク・ワールドをかます。
それを背中に感じながらヒート・アップするミルトもさすがです。
「おれのプレイ中は弾くな」とマイルスが厳命したかどうかはしりませんが、この『弾かせてもらえない』という緊張が、一転して『弾ける』となったとき、解放への勢いとなっているのですな。
後ろへ充分に引っ張ってから放つチョロQ式だ。
つるんで悪さする放課後の不良コンビ! ミルトとモンク!
それもマイルス演奏時の緊張感あっての躍動!
たまらんね。
あのミルトの後ろで低音をごんごん連打してるとこなんて、笑っちゃいましたよ。
もおっ、モンクったら。
気づけば日付が変わっていて、またひとつ歳をくっている。
誕生日、ありがとう。
☾☀闇生★☽