自分が日ごろから慣れあうその縁のなかに一人新参者があるときは、その人を常に活かすことを頭の隅において会話のパスをまわそうよ。
取り残して蚊帳の外に出しちゃって、ぽかんとさせてるのもったいないって。
たとえばサッカーとかバスケとかでそういう遊び方してるのって、つまんないじゃん。
人生をかけた試合をしようってんじゃないんだし。
へたっぴでいい。
楽しもう楽しもう。
広がりをつくろう。
その話題を彼が知っているものかどうか意識してしゃべっているか?
無理におもしろおかしく演出せい、とは言わぬ。
彼が知らないなら、わかりやすく説明したり、たとえ話にしたり。
あるいは話題そのものをふったり、質問してみんなが聴き手に回ったりして、ゲームに関わらせていこう。
そういう気配りという名のパス回しをこっちがはかっているというのに、自分でボールを独占して、ひとりでドリブルして、ひとりでシュートしてドヤ顔したがるのがいるのだな。かならず。
なんど彼にパスをまわしても、そいつが横取りして独り占めする。
まわりはといえば、ハニワのような愛想笑いで、いる。
疲れた。
思った通りになってもーた。
後輩であり、はるかに世代の違う女子がひとりおっさんのなかにぽつんといる。
ありていにいってオフ日のドライブなのだが。
断れなかったのか、あるいはよほど退屈だったのかし知らんのだが、参加したのである。彼女は。
一定の時間、場を共有しなくてはならない状況なのだから、適度にパス回しはしようよ。
おっさんの自慢話に愛想笑いさせとくだけなんて、もったいない。
周囲はつかれるし、彼女をつかれさせてもいる。
おっさんに告ぐ。
回しなさい、パスを。
☾☀闇生★☽