青きケツ。

 J.D.サリンジャー著、野崎孝訳『ライ麦畑でつかまえて白水uブックス 読了



 恥ずかしながらこの歳でやっとこさ読了した。
 思えば中学のころからトライしては挫折を何度もくりかえしてきた。
 で、お盆による現場休工が長引いているため、この夏こそはと頑張った次第。


 読後、ネットでよそ様の感想をつまみ食いしてまわったのであるが『厨二病』という言葉を散見したのだな。
 大半がそれをネガティヴな形容として使っていたようだった。
 なるほど主人公ホールデンの脆さ、未熟さ、不安定さ、アホさ、排他的で自意識過剰なロマンチストっぷりは、そういわれても仕方がない。
 読んでて赤面しちゃうほどにどこか身に覚えがあったりもした。


 けど、どうなんだと。


 直後に蜷川幸雄演出の『ロミオとジュリエット』をDVDで観たのだが、これだって立派に厨二病ではないのかと。
 実際、そんな年頃の少年少女の恋の物語でもあるのだが。


 んなこと書きつつ、実はこの闇生『厨二病』の厳密な定義を知らない。
 すまん。
 それほど時間にもまれてきた言葉でもなさそうなので、おそらくは市民権を得るほどにはなっておらず、ネットで表示される解説を鵜呑みにしようとも思わない。
 すまん。
 市民権とはまた大げさなと思われるかもしれないが、たとえばNHKのアナウンサーが解説もなしに使いまわす言葉とも思えないという意味でね。まだ首の坐らない言葉とみなしている。


 そう断りつつ、あえてのたまおう。
 厨二病
 いいじゃないですか。
 人間を描くということは、その不完全性やケツの青さを描くことでもあるのだし。
 音楽だって文学だって古典落語だって大概がそうじゃねえかと。
 覚り切って分別くさい大人の能書き読まされたってつまんねえよ。


 ロミジュリを演出した蜷川はいったい幾つだったんだ。
 達観するものか、老成してたまるもんかといった青き尻っぺたの熱量が、この古典的大名作となった厨二病をよみがえらせたのではないのかと。








 いったいあたしゃなにを弁護してるんだと。



 ☾☀闇生★☽