現場。


 夜。
 ミリヲタDさんからショートメール。
 月曜の現場。
 6名定員のところ、現在決まっているのはあたし以外には頭Fさん、新人Kさんだけとのこと。
「S社の現場も欠っているらしいから、闇生さんも逃げちゃえば?」
 ご自分は別の規制現場に決定しているというのに、気にかけていただいてありがたし。
「逃げたいのは山々ですが、流れに身をゆだねます」と返す。
 頭Fさんと新人のKさんしか決まっていない状況で、あたしまで逃げてしまうのは、いくらなんでも心がひける。
 哀しいかな、お人よしなのであーる。
 頭Fさんは気が効かず、偉ぶって動かないから、応援者たちの新規入場から応対、詰所の片付けから現場全体の見張り、指示に至るまであたしが動かねばならなくなるだろう。
 それでも、これでは逃げだせない。

 
 ミリヲタDさんからさらにメール。
「駄目もとで片交マニアTにメールしときました」
 片交マニアTさんは月曜から日勤の規制で、しかも自宅から5分の現場を与えられている。
 親もとで生活に苦しいわけでもないから日・夜の連投をする必要がない。
 よって他人の痛みを思いやる必要のない人生を送っている、と決めつけて置く。
 情にほだされて助けにくることもないだろう。
 せいぜい、その力量を認められることに弱いので、ミリヲタDさんのくすぐり方次第では動くことは可能性としては無くもないかもしれない。
 んが、
 自宅から5分の現場で1勤務したあとに自転車で40分の現場の夜勤に出向くほど物好きでもない。
 そんなヒマがあったらゲームしてるな。彼は。
 ミリヲタDさんのさらなる気遣いに感謝を表明しつつ、
「片交マニアTさんも頭Fさんを嫌ってますからね」
 と返す。


 「さんも」


 レギュラー組が二人だけという状況は過去にもあった。
 あたしと片交マニアTさんだけだった。
 そのときはTK支社の使える中堅どこが2人も、加えてベテランのUさん(TB支社)が来てくれて、安定の布陣だった。
 また別の日も、SC支社のベテランOさんが真ん中をみてくれたので、薄い片交ポジションをあたしと片交マニアTさんでフォローすることができた。
 今回はどうなることだろうか。
 うちの支社の夜勤者はたいがい出払っている。
 虎ノ門の現場が休工とのことで、ピンク好きのベテランHさんがフリーになっている可能性がある。
 待遇の厚い規制隊員稼業になれたピンクHさんが、ただの誘導員扱いできてくれるかどうか。
 単価の高い規制現場がほかに発生していれば、そちらを選ぶだろうなあ。









 ☾☀闇生☆☽