台所事情。


 で、その明日の夜勤なのだが。
 現在の時点で7名枠のうち欠員4名だと判明す。
 先方さまが警備の配置を7人(おそらく休憩要員も含めて)と考えて発注した現場を、3人でまわすのである。
 しかもあたし以外の2名が、よその支社からの応援だ。
 応援組というのは、無理やり遠くから引っ張りだされてくるので、仕事に対する姿勢はたいがいが『他人事』である。
「うちの現場じゃねえし」
 休憩まわしが遅ければ文句を言い、
 現場的にきつければ不平をぶつけてき、
 作業が時間一杯までかかれば機嫌を悪くし、
 通勤の距離でまたゴネる。
  
 
 この欠員の件は、現場のフォーメーションをどう組むか、メンバーの各人の経験量などをあらかじめ知っておこうと問い合わせてはじめて知らされたのであーる。
 あたしから聞かなければ、開始直前まで知らずにいたわけだ。
 教えてくれたのは休日の電話番で。
 ようするに、会社はあたしひとりにぶん投げて、しかとしたのであーる。
 確かに監督が癇癪持ちではある。
 よそでは認められる言動をしても、ここでは唐突に怒鳴られることが多い。
 なので、多くのベテランがこの現場を忌み嫌って近づかない。
 彼は異様なほど安全面とクレームに対してチキンハートであり、なおかつ基本的に警備を見下しているからつい、それが態度に出ているのだと思う。
 安全面とクレームに神経をとがらせるならばこそ、警備とヨシミを深めねばならんのではないかとおもふのよ。あたしゃね。
 で、その痛い目を見たベテランたちが仲間にこの現場を悪く喧伝するので、ついたことのない隊員までが噂を根拠にこの現場を断わっている。
 結果、受けたやつがバカを見ると。



 会社の配置担当の人間は、この欠員状態のまま土日の休日を満喫しているのだろう。
 まあ、いいですよ。
 あたしがなんとかしましょ。
 要は見捨てられたのですな。
 見捨てられるに値するヤツなのですな。
 ならばと、知っている日勤組の何人かに救援を頼もうと考えた。
 会社なんか頼ってらんないのであーる。
 んが、あたし風情の窮状に対して、いっちょ連投で一肌脱いでやろうぢゃないかなんて動いてくれる仲間は、いないのであーる。
 己の不人気を、痛感す。
 







 すまぬ。俺。




 ☾☀闇生☆☽