いざ夜勤へ。
アパートを出かかってそのドアノブにコンビニ袋が掛けられてあるのに気づく。
中に、いびつな柿が10個ほど。
書置きが入っていて、隣の戸建てのお宅からの差し入れだと知る。
かたじけなし。
この闇生、昼夜が逆転して久しい。
戸建ての地元住民からすれば、近接のボロアパートの単身者ほど不気味な物はなく。
ましてや元ホームレスや独居老人が終日こもりきりなアパートなもので。
察してしまうのだな。そのお気遣いを。
おそらくは顔もちゃんと見たことのない住人もいるだろう。
かたじけなし。
でも、生きてしまうのだな今日を。あたしなんかも。
柿を食っても独り。
鐘など鳴りもしない。
☾☀闇生★☽