信州に嫁ぐ姉が突如、上京す。
いや上京自体は前もって予定されていたことではあるのだろう。
都内でひとり暮らしをする娘と休日をつかって遊んだろ、と。
んが、ふと「あ。ついでに弟の顔でも見とくか」という思いつきでこの闇生、招集された模様。
あたしゃそんな生来のおまけ風情なのであーる。
子守りをした覚えもある姪っ子は、もうすっかり大人になっていた。
同じ私鉄沿線に住みながら、これまで姉を通じてしか会うことはなかった。
それも一、二度か。
三人で新宿のカフェで飯を食い、タワレコで姪のお気に入りのバンドの新譜をプレゼントし。
下北の古着屋などをぶらぶらした。
翌々日、帰郷した姉からメール。
姪っ子が、あたしのことをなんて呼んだらいいのかと質問されたという。
ううむ。
ふつうにおじさんでかまわんのだが、
姉は「〇〇くんって呼んだら?」と答えたそうな。
は。は。は。
はたしてこの歳で、くん付けされちゃうのか。
うん。
そうですか。
また会える日を楽しみにしておこうっと。
☾☀闇生★☽