胸いっぱいのバリウムを我慢すると、ご褒美にぐるぐる回してくれる車の順番を待つのは、いつだって雨の日だ。
これもまた行列のできる店には違いないが、誰も浮かれちゃいない。
で遅々として進まない。
2時間ばかり待ったあげくに、このたびはあろうことかぐるぐるの機械が故障したといふ。
回復の目途は立たぬといふ。
12時間も前から飲食を断ち、並んで待ってこの仕打ち。
お酒だって我慢したさ。
せめてぐるぐるだけでも景気づけにやってはくれまいか。
哀しいのは、バリウム充填済・ゲップ我慢のぱんぱんな状態で故障のその瞬間に居合わせた御仁。
後日、撮り直しだという。
んなこと言われてもバリウムさんは引き返してはくれない。
振り返りもしない。
写されもせず、消化もされず、誰の役にも立たず、
ただ前のめりに先の光を目指して突き進むだけである。
出直しをくらう君も無念だろうが、ほかもいろいろ残念なのだと。
後刻トイレのなかでせめて反芻してやってくれ。
☾☀闇生★☽