壁の言の葉

unlucky hero your key

信号青で等間隔でながれているのに止めるな、という。
そして止めかたが強引で危険だという。
車間距離がひらいているところを狙って停止のお願いをせよ、という。

以上、1回の青で両方向をながす状況の交差点片交現場にていただいたクレーム。


それらをすべて遵守して誘導したとして、はたして全体的に円滑な交通が成立するだろうか。

我も我もと車間距離をつめてくるタクシーとか。
30メートルも40メートルも手前から逆車線に出て突破する気まんまんのタクシーとか。
幅寄せで脅してくる大型車とか。
待機中エンジンふかして煽ってくるコンビニの搬入車とか。


だいたい赤になってから停止の合図をしてたんじゃ詰まりっぱなしだろうに。
大渋滞だ。
それはそれでクレームするんだろう。彼等は。

研修でならった通りの動作をせよという。
研修のマニュアルどおりのど新人がどれだけつかえないか。
てか、あの基本動作で止まる? あなたたち。
車道には決して立たず、舗道から合図して、ちょこっと誘導灯だけが車道に出るあの基本合図で止まってやろうと思う?


断言する。
無理だね。
とりわけ夜間の都道なんて、朝までスルーされるね。


ただ予備動作、停止の合図はちゃんとやってるからねこっちは。ドライバーから予備動作の時点でも見えやすいポジショニングで。そのドライバーにはやってないと強弁されたけど。こっちは車体も運転席側も丸見えの角度から合図してるからね。
死にたくないんで、こっちも。
あきらかにガードマンの姿を認めてから車間距離を詰めてきたからね。彼は。

たしかにガードマンに権力はないさ。
強制力はない。
それも言われた。
けどね、じゃあガードマンなしに車線規制が成立するの?
譲り合いの精神だけで。

それが可能ならそうしてくださいよ。
そんな社会なら理想郷じゃん。





追記。
最初の言い分は、
青なのに止めるな。
加えて、等間隔で流れているんだから止めるな。
それから次に、飛び出して止めるな。
反論、飛び出してはいないが、ある程度無理気味にでも止めないと渋滞はなくならないとすると、
今度は、お前と乗客双方の安全のために言っている。
という流れでござった。



ま、よくわかんねえんだよな。
「等間隔だから止めるな」と「青だから」というのは特に。
あなたが対向車だったら、間違いなく「はやく止めろよ、ぼけがあ」となじっていたはずだよね。
等間隔なら止めない、でいいの? ほんとに。
あなたが待つ側になった場合のシミレーションは、したの?
等間隔なら止めないんだよ。
でそれは必ず信号にひっかかるんだよ。
ひっかかった車が道をふさぐから、対向車はむろんのこと、クロスする道の右左折進入車のすべてが、足止めよ?
その足止めされる側にあなたがなる場合もあるって、考えた?



さらに追記。
相手が反論できない立場だと知って一方的にまくしたててくるのは卑怯だと思う。
ようするに解決を望んでいないのだな。
説明の機会すら与えない。
反論の気配でも見せようものなら激昂二秒前といった素振りでけん制する。
矛盾をつかれそうになると、論点をすりかえる。
ようは「気が収まらない」といったわたくしの感情に居座るのだ。そのほうが楽だから。考えなくていいし。
そんなことしたって何も解決はしない。
工事の責任者を呼びつけて、あとはドヤ顔である。
今回のもなかなかのドヤ顔でござった。
紅潮して鼻がふくらんでおった。


前に、感情的なクレームのあとに、自分の勘違いであったと気づいて相手が引き下がってくれたケースがあった。
片交で停止させた先頭が路線バスで、後続の彼はそこがバス停なのだと勘違いして追い抜いてきたのだ。
結果、規制帯の前で片交の対向車とお見合いとなってしまった。
この場合、先頭で大型車を停止させた誘導員が、後続車へ「追い抜かないように」との合図を怠ったのも原因のひとつなので、現場リーダーとしてあたしが謝った。
実際、その誘導員は下手だったのだし。
んが、
彼は現場を見て「バス停じゃなかったのか」と自省したのだ。
いったん現場を通り過ぎたあと、引き返してきてのクレームだ。
怒り心頭に発す、といった状態だっただろう。
ファーストコンタクトはなるほど興奮しておられたのに、自省に至る柔軟さ、客観性にはこちらが驚いた。
ふつう、このように自分側の落ち度に気付いた場合、相手側の落ち度に固執するもので。
「でもさあ、ふつう後続車にもわかるようにさあ」てなぐあいに。
しかし彼はそこに一切触れなかったのね。
バスの「降車中」ランプが灯っていたと勘違いしてしまった自分に首をかしげてた。
そこで一転こちらがドヤ顔になるのも痛いし、また先に述べたように実際こちらにも落ち度があったので、痛み分けみたいなさわやかなお別れとなったのだが。
これは本当に稀なケースだね。



おまけ。
車線規制の最後尾につける規制車。
荷台に矢印や工事中を示す電光看板を載せてるトラック、あるでしょ?
あれが邪魔だとクレームされたことがあった。
あれがなければそのぶん規制が小さくできるのではないかと。
しかも見通しの悪いゆるやかなカーブの現場である。
規制車がなくてクレームというのはわかるが、なんなんだろう。
一同、脱力して笑ってしまった。





さらに追記。
「青なのにとめるな」
「警備員に権力はない」の件だが。
あなた側が青ということは、対向車にとっても青だ。
対向車が「青なのにもかかわらず」「権力の無い」警備員の誘導に協力してくれたおかげで、あなた側の車列がそれまで流れていたのですよね。
せめて辛抱強く待っていてくれた心優しき先頭の何台かだけでも流してやってくれ、とは思わんのかね。自称「こっちはプロだ」のドライバーさんよ。
くりかえすが一回の青で両方を流せる状況の片交現場でのことね。
警備員の印象としては、マナーと譲り合いの精神がないのは圧倒的にプロの方だけどね。








(闇生)