目覚めてからサヨコスカッティがあたまのなかで鳴っている。
同時にあのCMの山口小夜子の、
凛として、颯爽とした風情が繰り返し。

繰り返し。

カッコいい女、というくくりかたもまたカテゴライズであり、所詮は差別の加減の問題に過ぎないのだろうが。
うん。
カッコいい。
そしてカッコよさなどというものは時代によってころころ変わりやすいものなのだろうが、カッコいい。


ベテラン先輩が風邪をこじらせて肺炎に。
急遽、入院。
あたしと同じひとりもんの中年である。
カッコわるい。
不安だろうに。
せめてもの救いは、あたしとちがって肉親よりも親しくしている友がいることだ。
中年にもなって全力でケンカできる仲なんて、そうあるもんじゃない。
とはいえ、
社保はあるものの、しがないケービ屋である。
先の出費の不安に襲われていることだろう。



彼とはまたちがった親分肌のベテランがいて。
彼もまた独身。
母親と二人暮らし。
その介護しつつケービをやっている。
このところ母親の認知が悪化する一方で、仕事から帰るときまって彼女は漏らして、転倒して、排泄物を撒き散らしているという。

転倒で粉砕骨折しギプスで固めたが、それもむりやり脱いでしまうのだという。

高齢で、ただでさえなんやかやと定期的に通院させなくてはならず。
となれば当然、カネが要る。
しかしそのカネを稼ぐには時間が要る。
その時間が介護に奪われる。

ときどき耐えられなくなって、散々に罵るのだという。
けど母はそれも覚えていない。
せめて少しでも転倒が減るようにとぱんぱんにむくんだ母の足首を彼は毎日揉んでやっている。

そのくせ現場では飄々として昼行灯といった風情。
ま、夜勤者ですが。
楽ばかりしているふりして、肝心なところは陣頭指揮できっちり仕切るのだな。
カッコいい。


むくわれろ、と願ふ。





(☀闇生🌙)