窓の外の虫の音が心地いいので、真夜中に散歩。
原マスミの『ピアノ』が頭のなかに。
蛙たちが騒いでいる田んぼのそばを過ぎ、
終電を過ぎた駅前に向かってみる。
誰も居ない路地にぽつんと立っている自販機の微かなモーター音、
コンビニやマンションの室外機、
松屋の店頭でじいじい言ってる誘蛾灯、
千鳥足のよっぱらいの独りごと、
街道に出れば、行き来する車の喧騒。
スーパーの搬入口ではパッカー車のアイドリング。
引きかえしてひっそりとした住宅街をぬって、
駄菓子屋の店頭の自販機。
踏切をわたる。
背中に遠ざかっていく街道の音たち。
かわって引き立つ自分の草履の音。
アスファルトを撫で、
下水のふたを踏んでガコンと鳴ったり……。
そのどれもが、虫の音を背景にしている。
音をサラウンドに意識して、その変化を愉しみながら歩いた。
外気は暑くもなく、
肌寒くもなく、
Tシャツでいられるが、
裸でもいられるよーな。
☾☀闇生☆☽