先週末から監督補佐扱いの現場に着いている。
 春先ごろから1週間とか2週間の短期契約で担当していた現場さんからの、ご指名リクエストということで、ありがたし。
 今回は、前よりは長めにお付き合いさせてもらうことになりそうなのであーる。
 その現場の開始早々、我がガラケーに着信が。
 出ると、かつておなじ監督補佐としてあたしを使ってくれた別会社の幹部。てかプレイングマネージャー的なお方だ。
 何度かここでも書いたがシールド(トンネル)工事現場でお世話になった方である。
 無沙汰をわびる挨拶もそこそこに切りだされた要件は、あらたに現場がはじまるのでまた働いてみないかとのこと。


 ううううううむ。


 あのね、
 『監督補佐』という契約で「作業はさせない」と約束しておきながら、その実、使いっぱとして作業員以上にあたしをこき使ったのよ、あんたはんは。
 あたしもあたしで契約の内容をよく知らずに、なしくずし的に派遣されたものだから、よかれと思って尽力しましたさ。
 ええ、やつれましたとも。
 そりゃもう、心身ともに悲鳴をあげるほど積極的にやらかしました。
 社員たちが顔をそむけるようなきったねえきったねえ個所での作業*1も、すすんでやりました。
 けど振り返ってみれば、作業員としての契約ではないので、危険手当てもなければ、事故った時の保障問題もグレーゾーンだったのだ。
 シールド工事特有の粉塵による塵肺の危険性も、彼ら本職は年に2回の検査が義務付けられているというのに、我々派遣は無しだもの。
 それで通常のケービの夜勤より、日当がリーズナブルという悲劇。
 先方にしてみれば、安い土工見習い、有体に云って『使いっぱ』としてこき使えて都合が良かったのだろう。
 その旨味で、もう一度やらねえかと言われたところで、なんなんだ。
 そのリクエストってさ。
 当時、同僚はあたしをこうからかったものである。


「本番までやっちゃうヘルス嬢」


 いやん。
 で、お人よしよろしく一度それをゆるせば「前はやらせてくれたじゃん」といった態度で迫られて常態化するというやつだ。
 結果1年も尽力したし、一般人には見られないような工事個所も見られたし、体験できたし、ナマ傷は絶えず、得ることも膨大ではあったが、もういいっす。
 あんたらせこすぎっす。
 

 現場現場で生涯を仕事に捧げてきた姿勢は尊敬に値するけど。
 飲んでも現場の武勇伝と協力会社の悪口しか話題が無いというのは、どういう生き方なのだろうか。
 スナックで、一同どん引きよ。
 それで「おねーちゃんにもてねえ」って。
 そこいくと今の現場の老所長は違うね。
 Youtubeでみつけたエラ・フィッツジェラルドのライヴ映像の話題で大盛り上がりだ。
 メル・トーメとのデュオのスキャットにあたしも感動してたとこだったから、愉しかったねえ。
 圧力釜でする自炊のコツだとか。
 飼い犬のフレンチブルドッグの話だとかさ。






 仕事いちず、というのも確かにかっこいいんだ。
 だがなあ。
 結果として自慢と悪口しか口をついて出てこないというのは、どこかで無理が生じているのではなかろうか。





 ☾☀闇生☆☽
 
  
 
 
 

*1:作業員たちがところかまわずにやらかしたションベンが溜まっている鉄板下のセグメントボックス内での計測機器の撤去作業。