松本大洋『Sunny』第5巻。
読了。
読み終えるのがもったいなくて、毎晩ちょっとずつにしていた。
ひとつのシリーズのなかで安定といおうか、停滞といおうか、毎度おなじみ感と言おうかそういうものを少しも求めていない。
自身のウデと狎れ合いをしない。
丁寧な洞察もその表現も、あいもかわらぬ松本節なのだが、それは自己模倣などでは決してなく、更新されつづける新鮮なものなのだ。
クライマックスを、直接的なセリフにまかせていないところが何よりの強さで。
いや、漫画ならでは、とはそういうものなのだろう。
その本来掴みがたい何かを確信的な手ごたえとしているあたり、ゆるぎなき才能を垣間見てしまうのであった。
見守っている。
人物ひとり一人を、
丹念に。
その慈しみを、慈しめ。
読めこのやろう。
☾☀闇生☆☽