快晴の多摩川沿いを一時間半、ウォーキング。
 復路はジョギングにして汗を流す。
 桜並木の下は羽虫がにぎわっていましたな。
 なんかあの「お前ら、毛針のモデルにされてるぞ」みたいな虫でした。
 むかし親父が渓流釣りに凝ってたとき、あんな毛針をつかってた記憶がある。
 帰還して昼食を貪ると、心地よい睡魔に襲われて昼寝。
 そこはやっぱ休日ならでは。
 いい御身分でございます。
 で、午後からさっそくニヒル牛2へ。
 そう、恒例の『旅の本展』が本日からおっぱじまっているのでございます。
 収穫は4冊だ。
 あらかじめ目星をつけておいた3人の新作を確保して、この日は撤退することにしました。
 ちょっとね、店内暑かったね。
 おっさんがひとり時間をかけて読み漁るには、汗ばみすぎ。
 またあとの機会にします。


 で、
 まず一冊目だ。
 石川ある著『一泊二日のホーチミン ヒロカと2人旅』SHIMAUMA PRINT






 率先垂範とはこのことなり。
 言い出しっぺはリーダーシップ。
 そうでなくっちゃ企画自体が空々しくなっちまうというものでえ。
 店主でありつつ、いち企画参加者であり、というオンナ店長の気風の良さにまずは敬意を。
 帰りの中央線の車内で読了してしまいました。
 ウチまで我慢できませんでした。
 とまらんよ。
 要は女ふたりのベトナム旅行記なんだけれど、表題のとおり「一泊二日」という強行スケジュールがミソね。
 なおかつ、その軍資金事情のつつましやかさが、この旅の臨場感を際立たせており。
 ようするに『制約』というやつですな。
 制約なくして『自由』のメリハリはないわけで。
 女子だか女史ならではの物欲と好奇心が、この『時間とカネ』という二大制約に際立たされちまうのであーる。
 もうね、大した事件やトラブルが無くても、その条件がかえって『時間とカネ』の価値をあげるよね。
 たった1時間が、そしてたかが1000円ぽっちが、活きいきと輝きはじめるのだ。


 たのしー。


 これね、仮に軍資金も潤沢で、時間的にも延長無制限な旅であるとしたら、どう?
 この面白さは無いよ。
 シェルタリングスカイばりの不幸でもないかぎり、倦怠感に苛まれて、げんなりよ。


 しねーか。


 やっぱそれはそれで楽しんじゃうか。
 でも確信するね。
 時間とカネがなくても旅を楽しめる奴は、時間とカネがあっても楽しむもんでしょ。
 時間とカネがなくちゃ楽しめない奴は、それがあっても楽しみ切れないでしょ。
 それは制約を見つける才能にかかわっているのだと思う。
 なんせ遊びのコツは制約にあるのだな。
 遊び上手は、ルール作り上手なのだ。
 無敵とか、味噌っかすほどつまらんものはない。
 さながら、くびれあってこそ、女が……。
 ……ちがった。
 いや、ちがくない。
 そう。女だ。
 やはり女であるとこが、おもしろいのね。これ。
 食べたいっ。
 着たいっ。
 楽しみたーい、っていう、ともすれば底なしのヨクボーが、時間とカネに、
「待て」
 ってされてるとこが。
 これ男子バージョンもありかもしれん。
 けど、飯も服も真っ先に妥協するでしょ。野郎どもは。
 疲れてりゃ、もうカップ麺でいいよぉ、ってなっちゃう。 


 それと旅の相棒(ヒロカ)が「ボケ」役で、著者が「ツッコミ」というわかりやすい力学が、転がる石のように読めるこの本の引力であることを最後に強調しておきましょうか。




 おすすめ。


 ちなみに前回の『旅の本展』の闇生の記事はこちら。
 ↓
  『旅の本展』ニヒル牛2にて。


 その2に続く。


 ☾☀闇生☆☽