注文しておいたメガネができたので、受け取りに行った。
 生まれて初めて買うメガネである。
 近所のメガネスーパーにて、諸々込みで5万円ほど。
 と、注文してしまってから周囲のメガネたちに報告すれば、


 ぎょえっ、


 と、フレームから目ん玉を飛びだせつつエビ反って後頭部強打せんばかりの、昭和のギャグ漫画チックなリアクションをとられてしまった次第。
 それはおカネをかけ過ぎだという。
 少なくともケービでやっとこさ口に糊する身分が手を出すランクのものではないぞと。
 うん。
 でも、まあ、いい授業料になったねと。
 まるで詐欺にでもあったような慰め方をされてしまったのである。
 まあいい。
 あたしの悪い癖である。
 どうせ買うなら、とちょっとだけいいモノを買おうとする。
 その『ちょっと』が中途半端なのであーる。
 有体に云って、びびりなのだ。


 免許の更新が迫っているので、これを機にと行動したまでのこと。
 年々遠くが見えにくくなってきていて、標識の交差点名称が読みとれなくなっていた。
 夜勤をメインに動くことが増えているので、勝手のきく原付の購入も考えていたところでもあった。
 多少メガネにかけたっていいじゃんかっ、と。
 さて、問題は第三者の前でメガネデビューするタイミングではないだろうか。
 うけちゃうのか?
 あるいはスルーか?
 別人だと思われるのか?
 しばらくは、見慣れてもらうまで周囲のリアクションに付き合わねばならない。


 当分は日常生活で慣らしてから、仕事に使おうっと。







 ありふれた日常で、
 ちっぽけだが確実に一歩踏み出した奴へのリアクション。
 どうかお手柔らかに。



 追伸。
 幼いころ、父に連れられて東京観光をした。
 電車の車窓から見えた都会の灰色の街並みで、童心を刺激したのは唯一、めがね屋の屋上のあの巨大メガネである。
 幼き闇生は父に真面目な顔でこう訊いたといふ。












「あれ、ウルトラマンのメガネ?」








 ☾☀闇生☆☽