壁の言の葉

unlucky hero your key


 しかしまあ、工事にはギャラリーがつきものですな。
 心うばわれたようなお顔で、見惚れておられる。
 そのほとんどが、なぜかお年寄り。
 で、とりあえず訊いてくるんだ。


「なんの工事やってんの?」


 訊いてみただけ〜、みたいなノリで。
 で、へええ、と感心して去っていく。
 警備を始めたばかりのころは、これに糞真面目に答えていたもので。
 自転車で通りしなに「何の工事?」と、少しもスピードをゆるめずに走り抜けていかれるお方も居る。
 それを追いかけ気味にしてまで答えていたのだから、アホである。
 みんな時間がないのに、暇なのだ。
 老いも若きも、退屈をいなしいなし、生きていくばかり。





 追記。
 結局、それが『好奇心』と呼ぶに値するほど活性化するかどうか。
 おそらくは『連想』する力が、外部へとリンクする、させる、キーになっているのだと思う。
 その繋がりの瞬間、瞬間に、Welcome!が聞こえる。
 
 
 




 ☾☀闇生☆☽