乃木坂なんとかのCDをいただく。
 

「ちなみに、売っても100円にもなりませんから」


 との釘を刺されてだ。
 ははん、これが噂のあれだな。特典ねらいの大量購入をする人たちなのだなと。
 戸惑うあたくしに彼はつづけて、


「要らなかったら、誰かにあげてください」と去っていった。


 ご多分にもれず、彼もまたおっさんである。
 ケービのおっさんにも結構いるのだ。アイドル好きが。
 そんな事情を派遣先の上司との雑談にあげると「ロリコンじゃん」と、どん引きされてしまった。
 まあ、一般的に見て、そうだろう。
 けれど彼らからすれば、そう言われたところではははと笑うだけだろう。
 面白いのは、AKB的にいうところの「推しメン」が、これといって無い人たちがいることである。
 たとえば『モー娘。』好きのある人はAKB旋風を念頭に「いまあえてモー娘」という自虐的な断わりを必ず入れるのだが。
 その語るところに耳を傾ければ、かなり初期のころからグループを追っていて。
 つまり第一期のメンバーは、もはや残留しておらず。にもかかわらずにファンをやっている。
 いちいち特定のメンバーに偏執的な思い入れをしていたのでは、そこまで持たないわけで。
 それはつまり、巨人ファンのようなもので。
 長島が引退しようが、王が引退しようが、原がスランプに喘ごうが、松井がメジャー入りしようが、球団のファンをやっているような。
 どうやらそんな感覚らしい。
 そういうファンが付くというのは、強いよね。
 グループの低迷もまた、それはそれで歴史のひとつとして愉しんでいるのだろうし。
 だからこそ応援のし甲斐もあるのだろうし。


 好きなアイドル。


 というものをひとつも持ったことのない闇生としては、ちょっとうらやましかった。
 あえて言えばあたしにとってのアイドルは、YMOかな。
 あのバンドも細野さんは、誰が入ってもYMO的なのを狙っていたことがあったっけ。
 ティンパンアレーの頃のような、組合せ自由な、流動的なのにしたかったのだろう。
 ただ彼らは『演じ手』であると同時に『創り手』だから。
 そう簡単に代用が効かなかったのだろうと。
 ファンも許さなかっただろうしね。




 キャンディーズもピンクレディも代用は効かなかったろう。
 球団化のコツは、まずは人数を増やすことなのだね。
 人気の比重を分散させておけば、部分的な代謝に全体が負けないで済む。








 追記。
ロリコンじゃん」とどん引きした彼もまた、酔えば決まって20歳も年下の元グラビアアイドル某の現役当時の画像をネットで漁る。
 球団としてグループを見守るモー娘。ファンと、どっちがいやらしいのかと。




 ☾☀闇生☆☽