いったい何を企んで、そんな働き方してるの?


 とのお言葉をいただく。
 派遣先で。
 現場での動きが「相変わらず、清々しい」とも言っていただいた流れでのことであーる。
 えへんっ。
 無論、ユーモアとして「企む」という言葉を使ったのだろう。
 要は、目標としてるものがあるのかということであり。
 四十過ぎて、ひとりもんで。
 がむしゃらに作業に献身するものの、ガードマンで。
 しかもその会社からの作業員派遣で、と。
 どこ行ってもスカウトされるでしょ、とまで言われたが、買いかぶりというものである。
 決して謙遜ではない。
 実はそこまで勤労意欲もない。
 テキパキと仕事が進まないのが耐えられないだけなのだ。
 だから段取りとして先回り先回りして自分から動く。それだけ。
 だらだらと一服して時間を潰しているのがもったいないのである。
 気持ちは同じ。「早く帰りたい」だけだ。
 16時間営業のビデオ屋でひとり、通し勤務してそのまま店のフロアに段ボール敷いて眠って。目覚めてそのまま店開けて、といった生活をしていた二十代にはもどりたくないのね。
 あの日々に、拘束時間への恐怖を植え付けられてしまったわけ。
 今の派遣先も社員の働きぶりをみてると、とても憧れられるものではない。
 原則的に5時には現場を終えるが、連中、それから毎日深夜まで内業をやっている。
 残業代は出ない。
 その会社、この1年で30人あまりが辞めたと聞くが、そりゃそうだろう。
 そんなんでは、できる奴ほど辞めるだろう。
 言うなりにしか動かない馬鹿ばかりが残るだろう。
 ただし会社にそれをどうこうできるものではなく。
 そうしなければ現場が機能せず、して検査を通らず、予算内に収められず、要するに契約をこなせないという事態になるのである。
 とわかったところで、そんな社員には憧れない。
 あたしにとってはそこまで捨て身になれる価値も見出せない。
 嗚呼、早く帰りたい。
 
 
 
 
 
 
 









 ガードマンで糊口をしのぎつつ、とある店のプロデュースをすることになった人がいて。
 彼の才能に投資すると決めたオーナーの度量も大したもんだが、やはりこの仕事、希望なくして続けられるもんでもない。
 彼にその話を振ると、それまで睡眠不足でくもっていた瞳がぱっと輝くではないの。
 んで、止まらねえ止まらねえ。
 その店の構想を、しゃべるわ、しゃべるわ。
 うるさいっちゅうぐらい。
 べらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべらべ。
 同じ現場のもうひとりのガードマンも、実は歌手やってたりして。
 この人もそれを振ると、べらべらべらべら。

 
 あたしのばやい、
 すでに絶望して久しい。
 へなちょこだ。
 んが、それでもあたしは書いている。
 あほである。
 誰も読まない物語。
 出口も見いだせぬまま。
 書き続けている。






 ☾☀闇生☆☽