壁の言の葉

unlucky hero your key


 残業日にもかかわらず、帰宅後に飲んだのがまずかったのか。
 朝から腹の調子が、最悪である。
 それでも何かは胃に入れないと、と卵かけごはんだけは掻きこんだ。
 出勤し、もくもくと反復作業をこなすうちに、どんどん具合がわるくなってくる。
 胃が、むかむかしてくる。
 寝たい。
 昼休憩をうながす先方さんに、食欲がない旨うったえる。
 加えて『大』のお通じが、『小』のごとしでございますと。
 へんな病気にでも感染しててうつされても迷惑だから帰るべし、とのこと。
 頑張られてもかえって迷惑だからと。
 こちらも無茶を通すほどのゆとりもなく、お言葉に甘えさせていただくことに。
 ありがたし。
 自宅最寄駅まで帰ってはきたが、改札間際で口のなかが突如として酸っぱくなる。
 トイレに駆け込むや、嘔吐。
 嘔吐。
 嘔吐。
 あさの卵かけご飯が、正午になっても胃で足止めを食らっていたのを、知る。
 すまん。
 駅員さん。
 清掃員さん。
 かたじけなしだ。
 トイレの洗面所、詰まらせてしまった。


 すいません。


 嗚呼、歩いて病院に赴くも、午後の診察は三時からといふ。
 そのとき十二時半。
 ああ、寝たい。
 ちなみにノロを調べると、いまの医学では水分を取って安静にしているしかないといふ。
 今度の現場も汚物の巣窟のようなシチュエーションだからなあ……。
 


 とりあえず、この寒空で午後の診療を待てるわけもなく。
 自室で雨とラジオに耳を傾けつつ、ぢっとしています。






 ☾☀闇生☆☽