どうやら、行きつけのセブンイレブンの店長がかわったようで。
雑誌には立ち読み防止の亀甲縛りが施されるし、レジ待ちの一列待機をうながすヘタウマねらいの手書きポップなんぞも貼り出されるし。
店内が賑わっていようがガランとしてようが、スタッフは口々におすすめ商品の口上を連呼していたものだが、気づけばそれも無くなった。
むろんそれでもコンビニとしてごく見慣れた風景ではある。
必ずしもまずいことではない。
ないのだが、このセブンに通い慣れてきた身としては、どこかよそよそしくなって寂しいのだな。
レベルの高かったバイトさんたちの顔ぶれも日に日に替わってきており、
そして何より率先垂範を地で行っていた店長の姿が見えなくなった。
かつてこのブログでもとりあげたのだが、ここの店長さんの成長ぶりには目を見はるものがあって。
などと上から目線でのたまっていくが。
表情が閉じていて、
目つきが暗く、
その若さのわりに危ういことになっている頭髪事情に、コンプレックスを抱いている。に違いないと誰しもが思わずにはおられない、そんな状況だ。
大変なのだ。
そのせいもあってかどちらかというと社交的ではない印象があったし。そして時より苛立ちを表面ににじませることすら当初はあった彼。
そんな彼にこちらも苛立たされることもあり。
それが、何の拍子かであるときつるんと一皮むけたのだ。
社交的で明るい店長さんを演じはじめた。
とどのつまりがスイッチを入れやがったと。
当然のことながら当初はぎこちない。
しかし大概の人がその時点で自分をかえることを諦めるだろう恥ずかしく不自然なこの期間を、彼は見事に乗り越えたのだな。
やりよった。
自ら始めたおすすめ口上も慣れてはおらず、イントネーションに『頑張り具合』を出してしまってかえって嫌味になることすらあったくらいだが、それもやがてこなれていった。
心ひそかに敬服したものである。
して当然だろ。あたしにゃ出来ないことをやり遂げたのだから。
バイトさんたちとのコミュニケーションも見ていて気持ちがよい。
店内での教え方も、耳触りにならない。
客待ちに暇こいてレジの中でおしゃべりだの髪いじりなんて姿もない。
常に動いていて、かつ和気あいあいだ。
なんだろね、夜勤の人までが愉しんで働いてるなんて。
別のセブンに立ち寄ると、その差に愕然とするくらいである。
買い物を終えた若者が、連れ相手にその店員のレベルの高さを論じながら帰っていくのに遭遇したことがある。
曰く、
ここの店員のレベルの高さになれちゃうと、ほかのコンビニが云々かんぬん……。
やっぱみんな感じてるのだ。
しかもバイトはみな愛嬌のある可愛い女の子ばかりだったのであーる。
このぉエロ店長めっ。
などと勘ぐっていたが、考えてみれば店長がスカウトしに行くわけでもないのだし。
きっとそんな店づくりだからこそポジティヴで充実した空気に満ちているのだろう。で自然、仕事を愉しみたがる人ばかりが惹きつけられ、応募してくるのではなかろうか。
などと決めつけておく。
たとえば「軽くバイトでもしとくか」的な人はそもそも熱血経営の居酒屋だのには応募しないでしょ。
店長さん。
自分の店をほかに持ったか。
あるいは転職したかしらないが、あれだけやる人だ。どこへいっても通用するでしょうな。
いやあ、でも大変だわコンビニの店長さんは。
にしても、現店長はどの人なのか。
皆目見当がつかない。
まさか売り場はバイト任せで、てめえはバックルームにこもりっきりなんてことないよね。
☾☀闇生☆☽