たいがいにおいて、
スタッフというものは、リーダーのいいところは真似ない。
リーダーが二割サボれば、
スタッフはそれを目ざとく見つけて、自分も二割。少なく見積もっても一割五分はサボる権利があるのだとふむ。
リーダーが座れば、
スタッフは自分も座っていいと考える。
リーダーが顧客を愚痴れば、
スタッフは、自分もともに悪態をつけると考える。
リーダーが仕事中に水割りをやるならば、
スタッフは酎ハイぐらいはいいだろうと考える。
それを仮に権力で抑え込めば、スタッフはむろん働きはする。
んが、
サボれるはずの一割五分を搾取されていると解釈する。
その不満は笑顔の下ふかくにしっかりとしまいこまれてしまう。
仕事は「やらされ感」まるだしの受け身の労働と化し。
そんなチームに活力など生まれるはずもなく。
王様ゲームじゃあるまいし、命令だけでは人は自発的な仕事をしないものなのだ。
だいいち説得力がないし、
そもそも従う必然性が見いだせないのだから、示しもつかない。
しまいこまれた不満は、いずれ人知れずくすぶりだす。
王様ゲーム、か。
そういやそんなリーダーがいたな。半島に。
「やってみせ。言って聞かせて、させてみて。褒めてやらねば人は動かじ」
そうのたまったのは松下幸之助だったか。
山本五十六だったか。
言葉のとおりにしてみるならば、結構なカロリー消費ではないか。
いい汗かくだろう。
仮に人を十動かしたければ、自分がまず一でも二でも十を超えて見せなくちゃいかんのではないのか。
部下が働かない働かないと愚痴る前に、まずはわが身を振り返れよ。
あほんだら。
逆に言えば、
命じなくとも自発的に動く人材こそが宝なのですよ。
木下藤吉郎や滝川一益は、そうは出て来ません。
だからそれを当たり前と考えてはだめでしょ。
動かないのがあたりまえなのだ。
よって動くやつは、それゆえに失敗も多いが。
そいつらが馬鹿をみるようなチーム作りは、いけません。
信長の人材抜擢術はよくいわれるところだが、
本当の天才性は、そこにはなく、
一般兵卒を臆病で怠惰であると見抜いていた点ではないのかなと。
最近、とみに思う。
マイナス面を精神論でたたき上げるのではなく、
そういうものだと達観してしまう。
たとえば尾張の三軒槍にみられるように、他国より槍を長くしたり。
鉄砲を買い集めたのも、そんな視点があったのでしょう。
兵卒のすべてに一撃必殺の那須与一や塚原卜伝になることを強いなかった。
むろんチームの底上げとして調練はするでしょうが。
人間本来の欲深さ、弱さを見つめていたからこその商業重視だろうに。
などと、つらつら。
☾☀闇生☆☽
あらいやだ。
王様、裸ですよ。