まだ暗いうちに、
冷たい大気に身を切らせながら、
白い息を吐き吐きえっちらおっちらと、河沿いのサイクリングコースをつたってケービの現場を目指す。
耳にはパット・メセニーだ。
朝焼けに痛いほど映えるんだわ。この『シークレット・ストーリー』が。
冒頭のあの群衆の祈りのような声からして、沁みる。
それを引き継ぐギターがまたやわらかく、満ちる。
まったくもってやんなっちゃうよ。
ざまみろ。
ドラッグなんざいらんて。
そういえば本職の職場で、とうとう勝利をおさめたことをご報告。
……されたところで困っちゃうだろうが。
困っちゃってください。
といっても、小さいことでね。
あれよ。
ゴミの分別の件ね。
ミソもクソもいっしょくたにされていたゴミを、あたしゃ毎朝せっせと仕分けしたり、分別用にあらたにゴミ箱をこしらえたり、それをわかりやすくポップで案内したりしていたわけなのだな。
なんせその職場的にはあたしゃ新入りであるからして、なるべくなら角の立たない出かたが求められるわけであり。
角野立造ではいかんと。
いかんともしがたい。
といっても、それはそれで嫌味でもあるだろうと。
思いつつ、
悩みつつ、
んで諦めつつ、
ともかくも反応を待ち続けたこの一年だ。
どうだ。
やっと経営者が気づいて、先日ねぎらいの言葉をくれたのだった。
「これからは自分のゴミは自分で片づけるようにしましょう」
それって常識ですよね、と。
いや、業務上のゴミだって、もっとちゃんと仕分けしましょうよと応えたかったが、ひとまずは進歩である。
欲張っちゃいかんのだ。
などとえらそーに内心でほくそ笑む闇生なのである。
ぬはははは。
あのね、
あたまのよろしくないゴミの出し方をしている会社ってさ、
もとい、
ゴミの出し方にはその集団の程度が出てしまうわけだからさ、恥ずかしいでしょ。
コーヒーの缶に吸殻詰め込んだのとかさ。
ペットボトルの中にガム吐き捨ててるのとかさ。
憐れでしょ。
あ。
こないだもケービの現場であったのだが。
とあるマンションの集積所から収集車がゴミを回収していった。
ほら、作業員が収集車の後ろに投げ込んでいく朝の光景よ。
可燃の日なのに、ビンを混ぜ込んだ残念な住人がいたらしく、それがあの圧縮機でつぶされて、
ぱあああっん!
中のビンが路上にはじけ飛んだのだ。
粉々だ。
きらきらきらんと。
あやうく破片に目をやられるところだったよ。
ばかりか路上は朝日に輝く銀板になってしまって。
けど、作業員はそんなのにかまっていられず、
「くそったれがあっ」
おそらくは今ごろ惰眠をむさぼっているであろう残念氏を罵って次の集積所へと駆けていったのだ。
残念な現場に居合わせてまったくもって残念なケービ員となってしまった残念な闇生なのであるが。
にしても、ドラムを叩きながら天気予報をする意味がわからん。と今テレビに目をやった。
にしても、の意味がつながらん。
んで、
ゲームの話に唐突に車線変更する。
DSの『ゴースト・トリック』。
NARUTOの話題でかつて触れたけれど、大量の死を描くのも、大量の生き返りを描くのも、どちらも生命の軽視にほかならんというアレね。
結局、死んだはずの人物を、時間をさかのぼってそれを回避させるというそれ自体が、緊張感をうすめてしまっていると感じた。
とどのつまり、生と死の分別。
コントラスト。
仕分けが厳密でないと、双方が活きない。
ま、
それを言うと、元も子もなくなってしまうかもしれない。
なぜなら、死んではまたやり直しを繰り返して進むのがゲームというものなのであるから。
それでこその仮想だろう。
でもなあ、それをゲーム側がガイドするのってなあ。どうなのよ。
さあ、もう一度やりなおしましょう、て。
ともかく、
もうちょっと、続けてみよう。
今日はこの辺にしとこかな。
☾☀闇生☆☽
同僚。
三十をとっくにこえていながら、いまだに部屋の掃除を親にしてもらっていることが判明。
ああ。それじゃあ分別つかないわな。
追伸。
ちなみに、闇生の部屋は雑然としております。
目の前には昨晩観賞したエロDVDのディスクが、まっぱで放置プレイかましております。
イモ芝居のケイレンにげんなりさせられたので、ほったらかしにしたったのであります。
ゴミの出し方も、我が地域のルールが甘いために、甘んじております。
だからゴミや片付けについてあれこれうるさいのを『性分』やら『好み』だなどと片付けられるのは、不本意。
みんなで使う場所だから、という非常にシンプルな小学生の道徳レベルをのたまっているだけのことなのであーる。
不徳、背徳を商いとするエロ屋だからこそ、そこんとこの分別はね。