壁の言の葉

unlucky hero your key


「仕事? んなもの選ばなければいくらでもあるでしょーが」

 
 当面のところ失業の心配のない人に限ってよく言う台詞を、ナマで耳にした。
 聞かされた。
 あれは自分に向いてない、
 これはつらい、
 それはきつい、
 だから自分に向いたのを、
 自分にあったものを、
 だなんて自分を甘やかしてるから、無いんだよ。とな。
 で、お決まりのこれだ。


「必死になれば」
「頑張れば」


 そうのたまった当人は長年、ご自身のメタボと格闘としていて。
 やれ、ナントカ・ブート・キャンプだ、
 ロデオマシーンだ、
 低周波マッサージだ、
 キャベツ・ダイエットだと、
 手を変え、品を変えして、
 されどいまだどれも続かない。
 同僚と食事代賭けダイエットまでするのだが、いまや一進一退、月替わりでおごり合うのが習慣となっている。
 そこにぬくぬくとあぐらをかいて、のおのおと鼻毛を伸ばしてござる。
 食事制限も、曰く、
 そこまでして生きたとして、はたして仕合せかいな、とな。
 んで闇生、
 とどのつまりが、おなじじゃねえかと思ったのだわ。
 職探しとね。



















 できねーことを、人に強いるな。
 










 ☾☀闇生☆☽


 てめえのことを棚に上げて、というある種の愛でのたまうならば、
 せめて恥らえ。