壁の言の葉

unlucky hero your key


 真夜中にウォーキング。
 かつては週に二回は一時間ずつ敢行していたものだが、思えばダブルワークをはじめてこのかた、とんと無沙汰にしていた。
 それを、得体のしれないむしゃくしゃに急きたてられて、ふと気付いてしまったというわけで。
 思い立ったが吉日、とばかりに飛び出したのだ。
 しかし、
 なぜだろう。今夜のi-podがシャッフルしてもシャッフルしてもエリカ・バドゥコトリンゴばかりを推してくるのは。
 チャラもやけに多いな。
 となれば、うん。
 まあ、沁みます。
 児童公園のベンチで物思いにふける影も。
 街道沿いのスナックから洩れ聞えるカラオケの声も。
 がらんとした店内で、ひとりラーメンをすする背中も。
 みんな映画のワンシーンに見えてくる。
 あ、そうか。
 プレイリスト『daijyobu』を選んでいたからなのね。
 ICEの「ECHOES」も、
 eelsの「Fresh Feeling」も、
 Corinne Bailey Raeの「Like A Star」も、
 傷口から容赦なく付け入って、歩調をはばんできやがんだもの。







 くそお。
 キズの火照りもまた、
 傷つけた人のぬくもりなのだよ。
  
  






 ☾☀闇生☆☽


 帰宅して、
 久しぶりに体重計に乗って仰天。
 あらま。
 よ、よ、4キロも増えている。
 く、くそお。