職場の上司がシーバス釣りに凝っていて。
週末はいつも船をチャーターして、東京湾でなんちゃって松方弘樹である。
はて、シーバスとはなんぞや。
成長につれて名を変える出世魚で。
「セイゴ」→「フッコ」→「スズキ」と成り上がるしろもの。
これをルアーでやっつけるのだという。
成魚は全長八十センチ以上にもなって、釣り上げるとさながら『ハトヤ』状態だ。
で、実際、その上司がそれを釣り上げる動画を、見せられた。
「なるほど、ハトヤですね〜」
「はははっ。ハトヤですかあ」
「ハトヤですとも。電話はヨ・イ・フ・ロっすわ」
あえなくリアクションのボキャブラリーが尽きた。
けど、なんでシーバスと呼ぶのか。
食卓にのぼるときにはスズキで統一されているとは思うのだが。
シーバスのあらい、
シーバスの刺身、では確かに食欲をそそられん。
遊戯としての釣りのスポーツ感が、生々しいもんで。
ともあれ、
他人に自慢できる趣味があるということは、しあわせもんである。
あたしゃ今日もバイトだよ。
はい。
☾☀闇生☆☽