がん検診に行ってきた。
ついでに肝炎のチェックも勧められるままにお願いすることにした。
もろもろの検査と、
して、後日その結果を聞くなどで、少なくとも三回は通院しなくてはならないという。
で、このたびは血液を採って、
それから胸のレントゲンと、
熟してなお可愛い女医さんとの聴診器プレイ。
いやいや、いたって事務的な問診でござった。
ただ最初に問診票を何枚も書かされた。
それでいい加減、住所氏名を書き飽きてしまったよ。
ボケろ。
その誘惑を拒みつつやっつけた。
次回は上部消化管造影だそうだ。
あのバリウムと発泡剤を飲んで、ゲップを我慢しつつやるやつね。
それとウンチを二日分持って来いとのこと。
とどのつまりが検便である。
昔、検便と言えば軟膏の小瓶くらいのケースに収納して提出したものだった。
んが、
今のはさらにコンパクトになっている。
シャーペンの替え芯のケースくらいの容器に薬液が満たしてあって、そこに楊枝のようなスティックが浸してある。
構造的にはマスカラのように、スティックは蓋と一体になってるわけ。
スティックの先にはネジのような刻みがあって、そこに己がウンチをこすりつけるのである。
ウンチの表面をまんべんなこすりとれ、との説明書きがあって。
味噌を楊枝の頭で掻いたようなその写真といい、至極生々しいのだな。
しかも便をとりすぎると正しい検査ができません、とも。
多い分にはかまわんだろうと思うのだが、なにかしら事情があるのに相違なく。
こんな少量でいいのだから、そのうち屁こいただけでも検査できるに違いない。
うんにゃ、違いない。
そういや検便を弁当箱にみっちり詰めて提出した漫画があったなあ。
あれ、ガキデカだったっけ?…。
帰り道、
風が気持ちいい。
宅配便を時間指定で待っていたが、ついに届かない。
営業所に問い合わせてみるも、時間外で応対が無く。
Webで確認すると、不在につき持ち帰ったというではないの。
思えばノックが何度かあった。
ははん、それか。
うちはオートロックだなんて小粋な仕掛けのない侘び住まいである。
よって訪問者は直接ドアを叩くのだが、このたびのノックの主はあろうことか無言であった。
こういうのはあたしゃ居留守で通すのだ。
なんせ宗教やら新聞やらの勧誘、または飛び込み営業が少なくないわけで。
して、
彼らのほとんどが無言で待つのである。
そりゃそうだろう。
ドアが開く前に名乗っては、文字通りの門前払いにあうことは確実なのだから。
しかし、そこへいくと宅配便。
なにゆえ無言なのか。
「お届けものでーす」
そのひと言がなぜ出ないのよ。
不審ぞ。
極めて、不快ぞ。
声出して行こう!
ウォーキングをこらえてまで待っていた、その時間を返してほしいわい。
もお。
病院というところも、ひたすら待つ忍耐を強いられるところである。
けれど、こちらは自分の健康がかかってもいるわけであるからして、辛抱のし甲斐があるし、ある程度までならあきらめもつく。
今回はそれを見越して文庫本を持参した。
それに、ひょっとしたら悪い結果が、というのを気持ちのどこかで少なからず怖れてもいて。
なんであれ、待つのだ。
けれど、宅配便のこれは、どうにもいかん。
せめて不在通知があれば気づくのだが、このたびはそれもないし。
楽しみにしていただけに、残念がまざまざと際立つのであーる。
☾☀闇生☆☽