あれこれとお気に入りの小説を再読していくさなかで、ふと読みかけでとまっていたのを思い出した。
ガルシア・マルケス著『百年の孤独』。
この世界的に有名な著作を途中で投げ出してしまったのには訳があるのだ。
むろん言い訳だけど。
まずここにはね、
南米のどこかに想定された町マコンドと、
その開拓時代から続くブエンディーア家の百年が描かれている。
問題はこの系図なのね。
ややこしいのだわ。
なんせ似たりよったりの、はたまた同じ名前が続くのだから。次から次へとさ。
そもそもが姪だの甥だの、その娘の夫だのと入り組んだ関係が苦手な闇生ではある。
そこへきて、執拗で濃厚な文体だ。
ドンタコスったらドンタコスの風情で。
発泡酒とか、
ノンアルコールなんとかの心意気ではとても書けそうになく。
おそらくはサトウキビの蒸留酒、アグアルディエンテに育まれた土地柄だ。
とくればだ、
通勤がてらにちょこちょこっと読める代物ではないのであーる。
で欲をいえば、そろそろ訳を改めてほしいかなといった具合でもあったし。
それはもうつくづくと。
そんなこんなで、いつかきっと、と決意しつつのー、ついついほったらかしにしてしまった次第なのであった。
ちなみに、彼の他の作品は何冊か読んでいる。
けど、
今回は、読破したよ。
いやあ、圧巻だわ。
やっぱ読み手に体力と根気を強いてもくる。
んが、
なによりこの粘りには驚嘆させられるし、
だからこそ幻想的で詩的なイメージのくだりが浮わつかず、強くささるっつーもんで。
とりわけ、各登場人物の最期は、痛烈なイマジネーションで彩られて、目に焼きつくようなのだ。
お手軽に読もうとすると、へこたれる。
けど、退屈というわけではなし。
どうすか。
そこはひとつ夏休みだし。
ノーベル文学賞受賞者の代表作でもあるのだし。
系図なんぞメモりながらじっくりと。
でもって全身へろへろにされてみては。
☾☀闇生☆☽