そうだ。
ネタバレについて書いておかなくては。
小生『ネタバレ感想。』なるものをやらかしている。
やらかされているネタのほうこそ迷惑だろうが、どうでしょ。
ちゃんとネタバレになってます? あたしのネタバレ。
ネタバレを求めていた方にしてみれば、ぜんぜん『モロ出し』になってねーじゃねーかと。
モザイクかかってんじゃんと。
きっとそう思われたんじゃないだろうか。
すまん。
んが、
この推測にすら、あたしゃまったくもって自信がモテない。
皆々様が何を指してネタバレというのか、確信がモテないのだ。
そもそも昨今鼻つまみにされている『ネタバレ』ってなんなの。
その定義って。
ミステリーなどで、犯人を先に言っちゃうのはまさにネタバレなんでしょうけど。
それでも『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように、まず犯人の犯行場面から始まるものだってあるし。
ドストエフスキーの『罪と罰』だってそうだ。
それだけじゃない。
落語とかシェイクスピアなんかのように、オチ自体が有名なものがあるじゃないですか。
本編を体験したことなど無いのに、ひとり歩きしているセリフだけはなぜか知っていたり。
で、それでもやっぱ観るし。
何度もくりかえしてさ。
『まんじゅうこわい』なんて、子供ですらオチを知っているのに、談志が演るとまるで違うよ。
だいたい、ある程度のネタバレはかえって必要でもあるし。求めてもいると思うのだ。
ディズニーのアニメを観にいって、予告も、前ふりも無しに唐突に大殺戮がはじまったら、
どうなんでしょ。
ミニーの解体ショー♪なんつって。
たとえばホラーは『ホラーである』という、ジャンルとしてのネタバレありきで成り立っているものだ。
それはコメディーだろうが、なんだろうが。
だから『基本的には』オチを先に知ったぐらいでつまらなくなるような作品は、所詮はその程度だったのだと思うことにしている。
だなんて、そんな考えの奴が書きつづる感想だ。
KYのYは、闇生のYに違いないぞ。
いや、きっとそうだぞ。
照れちゃうぞと。
そうならば無意識にネタバレをやらかしてヒンシュクの大人買いをやらかすんじゃないかと。
そう自戒して、あらかじめ『ネタバレ』とことわっている次第なのであーる。
とどのつまりが保険だ。
ご理解いただけたでしょーか。
なんならこの日記だって『ネタバレ』とつけたいくらいなのであーる。
じゃあ、いったい我々はどこに面白さを感じてるんだろうか。
数学で言えば、
『答え』そのものにではなく『証明』がしめす過程にこそ、なんじゃないだろうか。
エッチでいえば、
ゴールそのものではなく、そこへ至る道程とシチュエーション。
いわば童貞の道程にだ。
家庭への過程としての童貞の道程にこそ、という仮定。
山頂の景色は同じでも、ルートと手段の違いによって、その眺めは違ってくるはず。
むろんゴールあってこその過程でしょうが。
額縁あっての絵画ともいえましょうが。
などとえらそーにのたまっていたら、いや〜な記憶がよみがえっちゃった。
格闘技マニアがね、とある試合がいかに名勝負であったかをね、もうね、語るのよ。
あたしにとってはそれほど興味のあるジャンルではない。
けれど、たかだかちっぽけな自分風情。
興味の外側にこそ、新しいものがきっとひそんでいると。そう考えることにしているものだから、これ幸いと拝聴していた。
そこはちゃっかり、おりこうさんである。
褒められたし。
正味三十分もない試合の内容を、二時間半かけて。
手に汗握る試合展開を、ジェスチャーをまじえて。
それぞれの選手の生い立ちやら家庭の事情までもり込んで。
口角泡を飛ばすいきおいで語り終えると、
「で、その試合を録ったのが、これ」
彼はそう言って一枚のDVDを貸してくれたのである。
「ぜひ観てくれ」
と。
そのまなざしは、蜃気楼にゆらぐはるかな地平線を見つめていた。
こっちゃ勝敗はおろか、
試合展開までもまざまざと目に浮かんでいるというのに。
だもんだから借りっぱなしで二か月も逡巡してしまったのである。不覚にも。
お返しせねば。
感想を伝えねば。
ねばねば、ねば。
んで、
先日ようやっとそれを観た。
「なるほど、言っていたとおりだぞ」
かたじけなくも、そう確認させてもらったのである。
そうか、あれか。
ネタバレ発、げんなり経由の気持ちというものは。
「わが夫となるものは、さらにおぞましきものを見ることになろう」
クシャナはそれを警戒して隠すのだ。
それはどうだか。
ともかく、
『ネタバレ感想。』については、それを体験するまえに読んでも、後から読んでもおもしろいものを目指す。
目指します。
て、誰に宣言してんだか。
ようするに、うしろから前からどうぞ、の精神である。
んなものに精神なんぞ、ない。
たぶん。
☾☀闇生☆☽